定義はいらない
少ないけれど私の家に置いてあった彼の荷物を彼に送った。

彼は出会った当時に予告していた通り、引っ越していた。

新住所に彼の荷物と私の手紙が届いたが

私がその家に入ることは一度もないだろう。


「亮ちゃんには私は少し重かったかもしれない。
 でも、それなりに面白かったでしょ?
 ありがとう。」


短い手紙の最後にそう書いた。



「確かに荷物受け取りました。
 最高の出会いだった。全ていい思い出です。ありがとう。」



と、翌日メールが来た。




「この偽善者野郎。」



そう思って電話帳から彼を消した。



涙も出なかった。
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