甘すぎて溶けちゃいそう。【短編・完】
あたしの家は、学校からの下校ルートの途中にあるアイス屋さんからバスで4停ぶん。
一人だったらバスに乗っているその道のりを、今日は洋と手を繋いで歩いている。
「……でね〜―――」
洋の心地好い声を聞きながら、あたしはふわふわの眠気と戦っていた。
「……愛実ちゃん?着いたよ?」
「…………え。」
洋の手に導かれて、すぐに家に着いてしまった。
緩くなってしまった二人を繋ぐ手の強さ。
なんだか無性に寂しくなった。