俺様王子にご注意を

「なっ何よ!ひゃあ!」

和也は私を抱きしめた。

「...これで俺ちゃんと前向いていける。」

「うん。」

私ができることは...和也を
笑顔で見送る事だけ。
ただ、それだけです。


─────

「和也くん。今までありがとね。」

恵美は駅で和也にクッキーを渡した。
私達は改札を抜けて和也を
見送ることにした。

「あ、クッキーの缶は今開けないでね?
玲奈ちゃんの中学ん時のレア写真
入っているから。」

「まぢ?さんきゅ。」

は.....?

「なっ!和也、それ貸してよ!」

奪おうとしたのに和也はクッキーの缶を
鞄につめてしまった。

「あぁぁあああ!「和也ぁあああ!」

隣から私の叫び声を潰した声は
誠くんだった。

「俺、お前のこと最高に好きだから。」

「キモいな。あ、またな。」

「和也ぁああ!」

こんなじゃれあっている2人を見れるのも
しばらく無理。

あ...れ?離れる間ってどれくらい...?

「玲奈ちゃん.....。」

みんなが私を見る。
ダメだって分かってるの。
笑って見送りだしたいのに...。

なのに...

「っっ──!」
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