恋愛フラグ
タイトル未編集
「いらっしゃいませ」


美容室のドアを開けると満面の笑みが迎えてくれる。

私は思わず目をふせる。

そのキラキラ具合に心が痛い。

なぜなら


「3か月ぶりですね」


…だからだ。


3か月前、しつこいくらいにトリートメントに来てほしいやらカラーを変えてみたらどうかやらもう前髪だけでも切りにきてやら切羽詰まった営業をされたので、逆に恐ろしくなって来れなかった。

ここの美容師のお兄さんは記憶力がものすごくいい。

予約してなくても名前書かなくても会員カード出さなくても顔見ただけで私を認識できる。

さすが商売人だ。
プロだ。
サービス業だ。
接待業の鏡…


「なにブツクサ言ってるんですか」


ブツクサって。


「今日はどうされます?」

「カットとカラーで…」

「ありがとうございます。どうぞ」


案内され、私は椅子に座る。
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