シュウ教授の怪しい研究室

そうこれが部屋を散らかす一番の原因


教授は何でもすぐに床投げ捨ててしまうのだ



「一号は几帳面ですねぇ」

「几帳面とかの問題じゃなくて当たり前の事ですよっ!んもぅ」


ハハハと苦笑いしてゴミを拾い上げ
私が突きつけたゴミ箱にゴミを捨てる教授


「一回りも離れているのにしっかりしてますよ。勉強になります」



教授の勉強になります、が口癖だと最近気づいた私


またそこで突っ込むとムリウの話が出てきそうななので
敢えてスルーしているが




「あ、もうこんな時間ですか」


腕時計にふと目をやった教授がポツリと呟く


その言葉に部屋に飾られている鳩時計を見ると
すでに夜九時を回っていた


「そろそろ出ましょうか。研究もキリのいいところで片づいたし」


教授はそう言って、実験用具を片づけ始めた



何でも研究室は夜十時までと大学院の方から決められていて

泊まりになる時はその都度連絡をしないといけないという、防犯上のルールがあるらしい




「あ、帰り一緒に晩御飯でもどうです?」

「いいんですか?」

「まぁ、バイトでいうまかないってやつです」




――何か……、意味違うような気がしますけど?
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