好きになんかなるハズ無い!!
イケメントリオをほったらかし、私は勉強していた教室を出た。


李子がついて来るのを、足音で感じる。


「洋夢に何かされたの?美名」


ピタリと足を止め、ガバッと振り返った。


「私が勉強してたら、洋夢が来て……」


「うん?」


「アイツが“勉強教えてくれ”って私の顔に自分の顔近づけたから……パニックになって………」


「―――で、教科書で頭ブン殴った…と?」


図星をつかれ、頷くと、またため息を吐かれた。


李子が何を言いたいかなんて、聞かなくても分かる。


『いい加減慣れろ』……李子はこう言いたいんだ。
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