赤い狼 四





「ちげぇよ。稚春は……可愛い。可愛すぎてどう扱ったらぃぃのか迷う。理性が効かなくなりそうだ。」



「理性?」




稚春の艶やかな長い髪にそっと手を伸ばす。



ゆっくり撫でると稚春は気持ち良さそうな顔をして俺を見た。




やっべぇ。マジで理性効かなくなりそう。



どきんどきんと鳴り響く心臓に"動悸よ、治まれ。"と強く願う。



このままじゃあ稚春に何かしでかしそうで怖い。




そう思ってる俺を知ってか知らずか。




「隼人の手、気持ちぃぃね…。」




稚春は俺を、殺したいらしい。




俺の撫でている腕を掴み、



もっと撫でて…。



と上目遣いで頼んでくる稚春により一層心臓の動きが速くなった気がした。




「……やべ…。」



「何が?」




思わず漏らした声に首を傾げる稚春。



そんな仕草でさえも可愛いと思うのは俺が稚春を好きだからなのか分からねぇ。




でも、目の前で目を潤ませて俺を覗き込むようにして見つめてくる稚春に、どうしようもなくキスしたくなって、欲情した。




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