赤い狼 四





沸々と沸き上がってくる怒りに顔を顰めながら稚春の耳の下についている厄介な痕に…




「…痛っ、」




思いっきり吸い付いた。




「は?ちょっと待ってよ。痛いんだけど。」



「初めてじゃねぇだろ、この感覚。」



「いや、初めてなんだけど。


塚、何で隼人がこの痛みを初めてじゃないとか分かる訳?意味分かんないんだけど。」




首筋から唇を離してそこにまた、舌を這わす。



ゆっくりと、舌先で味わうように。




「マジで何!?ちょっと、舌の動きエロいんだけど!止めてくれない!?」



「お前マジでうるせぇ。」




俺が稚春を味わってるというのに、ギャアギャアとうるせぇ稚春に萎えて体から手を離す。




すると、稚春は素早く長ぇ髪の毛で首を隠して俺から一メートルくらいの距離まで逃げた。



速ぇな。どんだけ速ぇんだ。




ハハッと笑いながら真っ赤な顔をした稚春を見ると、一瞬止まって







「隼人のばぁかーーーーーー!!!!!」







すげぇデケェ声で叫んで下に降りてった。





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