赤い狼 四





一通り心の中で文句を言った後、二人をチラッと横目で見てみる。




…が、




「ねぇねぇ、それで学様はどうだったのよ。カッコよかったでしょ?隼人様とどっちがカッコよかった?」



「司様…。香は一生好きでございます…。」





これは駄目だと瞬時に悟った。




「ちょっと来て!」




二人にだけは話を聞かせようと二人の腕を掴んで屋上へと向かう。




寒いけど、寒いけど…しょうがない。



だって、今日はどこに行っても絶対目立つ。



なんてったって噂はもう2年生の中では収まらず、全学年に広まっているらしいから。




「速い速い!歩くのメチャクチャ速いんだけど!」



「足がもつれる~。」




グイグイと腕を引っ張って歩く私の後ろで実と香が文句を言ってるけど無視して屋上へと続く階段を上がる。




「屋上はさすがに寒くない?」




私が屋上に行くのが分かったらしい実が私が掴んでいる方の腕を縮める。





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