僕達の風
第1章 過去は今
この世に幸せなんてあるのだろうか...
皆幸せだけと思ってる

今日も同じで昨日も同じ
そんな,私も今日から高校生

小林 未来(15)の願い
[嫌な事は,忘れたい]

「ねー、この席空いてる-??」
中学校入学して最初に彼が私に話しかけてきた。

彼の名前は 後藤 里留 。ただの,クラスメート・・
でも,私はこの時もう彼と会うって決まってた・・
そんな気がした。
私は彼の優しさを知って好きって気持ちになってしまった。

だから中3の秋,彼に告白した―・・

「・・好き」

未来は聞こえてるような聞こえないようなほんの小さな声で
彼にこの2文字の言葉を伝えた。
この,2文字を言うのは,すごく恥ずかしかった。

「オ・・オレも前から小林のこと,好きだった」
その時の彼の顔は,真っ赤だった。

「え・・え!!」
嬉しくて嬉しくて涙が勝手に零れ落ちた。
「本当に,好きだから」
彼はその時の私を安心させるかのように言ってくれた。
「うん・・」

本当に,彼と過ごせた日々が楽しかった。
でも
幸せが幸せを奪っていった・・・

プルルルル・・・

「はい!!もしもし?」

「あ。未来ちゃん?里留の母ですけど・・・あのね落ち着いて聞いてね?」

私は,里留の母が出した言葉に絶句した。
< 1 / 9 >

この作品をシェア

pagetop