死せる朝日の会
さすがに俺も空気くらいは読めてるつもりだ。だから、この時のルーベンスの気持ちを無視はできない、ユリスと俺の関係が恋人だと決定している訳じゃないらしいが、それに関してはいまいちよくわからない、けれどこのままって訳にはいかないよな。リンダはリンダで、ルーベンスの言葉に対して、喜ぶどころか、若干気を失いかけている、あれは思考停止している人間の顔だな。
「そうですね、隠しても仕方ありませんよね、俺はずっと幼なじみの神崎妙子が気になっていました、しかし、今の妙の中身はユリスだ、彼女の中にはもう妙はいない、それでも俺はずっと彼女を大切だと思い込もうとして来たのかもしれない。 けど、俺の意識はどっちなんだろう? テロリストのリーダーか? あるいは高柳周一なのか? 自分という存在がこれほどまでに希薄だと思い知らされたよ。だからこそ、もう俺は自分に対して嘘をつきたくないんだ、俺はリンダが好きだ、ユリスじゃなくてリンダの事を大切に思っている。でも逃げたりしません、ユリスともちゃんと話をします。」
< 113 / 258 >

この作品をシェア

pagetop