貴方の愛に捕らわれて
温かな掌が、優しく頭から背中へと撫で下ろされる。
その心地良さに抗えず、うっとりしながら猛さんの胸で微睡んでいると、聞こえてきた言葉にギョッとする。
「――ああ。今日は休ませる。学校へ連絡しておけ。
顔見せは明日の午前だ。それが済んだら役所に行かせる。住田に連絡しておけ。
それから後で智也に朝食を届けさせろ」
学校を休ませる?それって私のこと…だよね。
遮光カーテンに遮られて、外の明るさがよく分からない。
うそ。今、何時?
時間を確認するため体を起こそうとした ら、猛さんの腕にがっちりと抱き寄せられ身動きがとれなくなる。
『あの…猛さん?』
「まだ寝てろ。休みの連絡はさせたから心配ない」
やっぱりさっきの会話は、私のことだったんだ。
『えっと、学校行きますよ?』