◇白黒恋争物語◆~運命の翼~




「日曜日じゃないわよ」






振り向くとお父さんとお母さんがいた。





「お父さん・・・お母さん・・・」





「領汰くんから全部話し聞いたわ。・・・・おかあさ・・ん。助けられなくて・・・ごめん・・ねぇ・・!」




「ちょっとお母さん。泣かないでよ。私の不注意!私がもっとはやく川村先輩のことに気づいていればあんなことにはならなかったんだから。・・まぁ私も幸いそんな変なことされてないし。未遂だよ未遂」





「棗~!お母さんは棗のこと本当に心配なの!棗は自分で大丈夫とか思ってるかもしれないけど、お父さんも、お母さんも、ずっと!心配だったんだからね...!もう大丈夫だなんて言わないでちょうだい...。強がらなくていいのよ....!」






「お母さん・・・・」





「棗。棗はお父さん達にとって世界にたった一人しかいない娘なんだ。だから、棗を想う気持ちは人一倍強い。どこの家だってそうだ・・。自分の子供を心配しない親はいない。・・わかったか」




「お父さん・・・・」









2人からの愛情を改めて知った瞬間だった・・。







「今日はね、朝早くに領汰くんと怜汰くんがきたのよ・・・」






「え。そうなの・・・」




「うん。領汰くんはね、『今日は昨日のことでとても疲れてると思うので棗を休ませといてあげてください』って言ってもらってね」




「領汰が・・・」




「そうよ。あれから棗をここまで運んでくれたのも領汰くんよ」




「・・そう・・だったんだ」




「後で会ったらきちんとお礼言いなさい。領汰くんには感謝しきれないほどなんだから」




「・・・うん。そうだね」






私は嬉しかった。




領汰の優しい気持ちに触れられたから・・。










「それからね。怜汰くんがね『棗さんを助けられなくてごめんなさい。棗さんに合わす顔がないです』って言ってたわ・・」





「・・・そっか・・。怜汰がそんなこと・・」




「怜汰くんには責任感じさせちゃったわね・・」




「怜汰はしっかり者だから・・・逆に自分を責めちゃうんだよね・・。私のこと想ってくれてるから・・」







「怜汰くんにも、ちゃんと話しなさいよ」





「うん」







私は気づいたんだ。









もう1人で生きてるんじゃないんだって・・・・。











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