◇白黒恋争物語◆~運命の翼~
目を覚ますと、そこは自分のベットの上・・・・。
「あ・・れ・・・。お・・おじぃちゃんは・・・」
すると誰かが私の部屋に入ってくる。
「あら。やっと起きたのね」
「・・・・お母さん?」
「お母さん?じゃないわよ。もう怜汰くんと領汰くん帰っちゃったわよ~。棗ったらお母さんがお茶出して懐かしい昔話してたら寝ちゃうんだもの。まったく」
「・・え。そんな・・・・。おじぃちゃんが倒れたって・・飛んできたんじゃ・・・」
「・・・もう。何の話なの?白黒さん家のおじぃちゃんのこと?・・ということはお母さんが話してた昔話聞いてたの?」
「え。私そんなの・・聞いてない・・」
「でも、寝てるとき少しは聞こえてたんじゃない?だからおじぃちゃんの夢みたのよ。ちょうどそのおじぃちゃんの昔話をしてたからね」
「・・・。おじぃちゃんの昔話って・・?」
「おじぃちゃんが棗とよく遊んでくれた話よ」
「え・・・待って・・・今もおじぃちゃんいるでしょ?」
「何言ってるの。おじぃちゃんならもう棗が6歳の時に亡くなったじゃない」
「・・・・・え。嘘・・・・」
「覚えてないのも無理ないわ・・・。おじぃちゃんが亡くなるとき、棗熱出しちゃって・・。40度近い熱。・・それでも最後におじぃちゃんに棗を会わせたくてね、お母さんが棗を抱きかかえたままおじぃちゃんの所に行ったのよ。寝てる棗におじぃちゃんはそっと頬をなでてくれたのよ。・・・最後に棗と話せなかったけど・・・おじぃちゃんは微笑んでいたわ。・・・・・・そしてそのまま目を閉じてしまった・・・」
「・・・う・・っ!!!・・っく!!」
「・・・棗?どうしたの・・・」
「私・・・最後に話せなかったけど、夢の中で・・っ・・会ったよ・・」
「え。おじぃちゃんに・・?」
「・・・うん・・っ・・!私に全部・・・話してくれた・・・。夢の中で感じてたよ・・。お・・おじぃちゃ・・んの・・・手を・・・・!」
「・・・棗」
ゆっくりとお母さんは私を抱き寄せる。
「おじぃちゃん。・・棗にどうしても伝えたいことがあったんだろうね・・。だから夢に出てきてくれたんだよね・・」
「・・・うん・・・!・・・とっても・・・とっても大切なことを・・・話してくれた・・!」
おじぃちゃんの声。・・・今私にちゃんと聞こえました。
