彼の瞳に捕まりました!


普段、見せる事のない必死な様子に言葉を失った。

「半分脅したような感じだったから、なんて思われても仕方ないって思う。
だけど、純粋におまえを撮りたかった」

「……」

「進めて行くうち、どんどん表情を変えていくお前に惹かれて行くのがわかった」

「え?」

「お前がどうしても欲しくなって……熱に浮かされた菜穂を抱いたんだ」

「行成?」

「菜穂が好きだ……
ずっと言いたかった。だけど、言えなかった」

彼はそう言って、腕を伸ばすと私の身体をそっと抱きしめた。

「菜穂が好きだ。
ずっと、好きだった」

耳元で、何度も何度も繰り返される言葉。

初めて聞く、甘い囁きに身体が崩れ落ちそうになった。

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