彼の瞳に捕まりました!
「なんで、アシスタント辞めたの?」

ふと漏れた問い掛け。
その言葉に、高瀬はちょっとだけ表情を固くさせると、こちらに視線を動かした。

ゆっくりと交わる視線。
その視線に、胸がどくりと音をたてた。

「金……金、だよ」

「お金?」

「有名な写真家なら、出版社や色々な所から依頼がくる。
だけど、そんな風になるまでは違う
1枚の写真を買って貰う為に、危険を冒して、何千枚と写真を撮って
その間に命を落としてしまう。
とか思ったら、フリーじゃなくてもいいかな。とか、思ってさ」

高瀬の口から紡がれる言葉。
その言葉に、驚きと違和感が募る。

あの日、
私と初めて話した日。

あの時に見た高瀬の表情が、
今の高瀬から感じ取れる事ができなかったから―――

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