ヴァンパイアヒューマン−桜−


『つ、妻って…。そんな…勝手に連れて来て、勝手に決めないで!!』


ミーナは声を荒げた。


『そうですか…やはり、リュート様が勝手にお決めになられたのですね』


ナズナはミーナの告げた言葉から全てを悟った。


『すみません、ミーナ様。リュート様はガルディニア王が甘やかして育てたために、我が儘で自分勝手な性格でございます。前にも同じような事が何度もありました。リュート様がご勝手に女の方を連れて来て、相手の同意もなしに自分勝手に結婚をしようと…』


ナズナは思い出しながら話した。


すると、ナズナは部屋の窓を開け、隠して置いたロープを下に垂らした。


『このロープを伝い、ここからお逃げ下さい、ミーナ様』


ナズナはそう言ってミーナを窓際に手招いた。



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