ヴァンパイアヒューマン−桜−


『そして、いつか風の噂が聞こえたよ。グラバドールに凄い剣士がいるって…それがあんただった。ガルディニア王はそんなあんたと俺を比べて、当時全く剣術の才能がない俺を罵りやがったんだ。同じ兄弟でもジャックは優等生で、俺は劣等生だと…。そしたら沸々と怒りがわいてきてさ、死に物狂いで剣術をみがいたよ。あんたがいたから俺は自分の父に劣等生呼ばわりされた…あんたがいなければ…って、その思いが、怒りが、俺を動かしていた。そして、いつか剣術であんたを超えるために…俺のプライドを取り戻すために…』


リュートはそう言って、ジャックを睨み付けた。


『勝負だ、兄貴…いや、グラバドールの剣士ジャック』


リュートはそう言って、ジャックに自慢の白銀の長い剣を突き付けた。



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