距離
本城蓮は深いため息をつき、手を離そうとした、
その瞬間。
「ゲホッゲホッ、ゼェゼェ、ヒーッ・・・」
発作が出てしまった。
焦る本城蓮。
止まらない発作。
「お、おい!大丈夫かよ!おい!」
意識が遠のいてゆく。
「俺、こんな立場だから、その、あまりウロウロ出来なくて。び、病院とか連れて行くべきなんだろうけど。....
あ、水。水飲めよ!」
そう言って、本城蓮は自分の鞄から水を取り出し、私に飲ませた。
それから一時して、発作もおさまった。
本城蓮も安心したようで、また深いため息をついた。