君からの手紙
ケイタイデンワ
高2もあと少しで終わると言う季節になった。


そんな時期に、私は見てしまったのだった。


カズキが、誰かに告白されているところを。


その“誰か”は私に背中を向ける形で立っていたから、
誰かは分からなかったけど。


すらりとした色白な体、
長い少し茶色めの髪。


きっと、美人さんなんだろう、と思った。


私は急いで近くの壁の裏に隠れて、
しゃがみ込んだ。


ふたりはきっとこれから付き合うんやろうな、
と思った。


すると、何とも言えないだるさが体を襲う。
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