ラブハンター☆
長い長い間オレンジ色の夕焼けに照らされて2人のシルエットはいつまでも重なっていた……。




「暇~!元兄ィどっか連れてってよ~」

夏休みも中盤に差し掛かったある日。ムシムシと暑い毎日。宿題も終わった桜は暇を持て余していた。夏休み入ってすぐに長年の片思いを実らせ、晴れて恋人同士になった2人。桜は相変わらず毬谷家に入り浸っている。


クーラーが利いた元気の部屋。涼しくて極楽。桜はベッドに正座しておねだり。当の元気はパソコンの前に座り、何やら作業中………。

「元兄ィ何してんの?」
「ん~?………課題」

真剣にパソコンとにらめっこしている。普段はコンタクトだけど、完全オフ日とかパソコンなんかをする時はいつも縁無しの眼鏡をかけている。

-元兄ィ萌え~……じゃなくて、相変わらずカッコいいなぁ-

普段わがままな桜もこういう時は無理強いしないことにしている。相手は五歳年上の大学生。お子ちゃま扱いされるのも何となくしゃくだから。


「じゃ無理ね……大人しくしてる」


ベッドの上で寝ていたヤクとヒメをお腹に乗せて天井を見つめる。涼しい部屋、露出したお腹に触るあったかい猫の身体が気持ちよくて目をつぶる。


「ん~っ……はぁ疲れた。桜何か飲む?」
「…………」


元気は眼鏡を外して大きな伸びを一つする。声を掛けても桜の返事はない。


「桜?」


振り向いてベッドに近寄るとスースー寝息が聞こえる。


「クスクス…猫と一緒だな」


-ギシッ…-

元気はベッドの縁に腰掛ける。
眠る桜。可愛い寝顔…胸元が開いた黒いキャミからほどよい谷間が覗く。肌はあれだけ毎日のように外で遊んでるのに透けるように白い。足も吸い付くようなスベスベの肌触り。細い足首。可愛い……。全部自分のもの。そっと唇を重ねる。

「んっ………はぁ。元兄ィ?終わったの?」

ゆっくりと桜は目を開ける。頬がほんのり桜色に染まっている。

「ん~休憩。桜があんまり可愛いから……さ♪」


元気は桜の首筋に顔を埋める。フワッと女の子の香り。スベスベの肌触りが気持ちいい。

「クスクス♪元兄ィの息くすぐったい……」

元気の首に腕を回す。

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