仇恋アベンジャー
あくまで私がこのカフェに来たのは、マスターである恵一を探るため。
亡くなった母が必死になって貢いでいた男の正体を知るためである。
「マスター、接客は苦手みたいだからさ。俺がいるときは大体厨房にいるよ」
働き始めの日、匠先輩がそう言った。
初めて会ったときから思っていたが、恵一はあまり愛想がいい男とは言えない。
どちらかというとぶっきらぼうで、あまり自分のことは話さない。
「きっと女性が苦手なんだよ」
とも言っていた。
「由紀ちゃんを雇う時だって、女はちょっと……って渋っていたところを、女性がいた方が良いと思うって俺が説得したんだ」