Rest of my Prince
 

それから。


もうそれは入れ替わり立代わり。


これでもかというくらいの演出だけでも、黄色い声が途絶えることはなく。


Zodiacの曲調で歌詞も編曲も変えた別アレンジ、Zodiacの歌詞で、曲調をがらりと変えたアレンジ。


原曲がどんなものだったのか思い出せない程、素晴らしい出来。


文句のつける処など一切ない、完璧過ぎる出来。


いつ練習していたんだろう。


凄すぎる。


美貌の男達の過剰すぎる色気の大サービス。


女子は大狂乱で。


男子まで狂騒だ。


もう彼らの何に悶えているのかが判らない。


どの組み合わせも、大ウケで。


色気とは無縁の…例えば煌と桜ちゃんのボーカル。


桜ちゃんは元々声高だから、煌の低い声と綺麗なユニゾンを奏でていたし。


だけど何故か最後には、取っ組み合い状態の歌になり…見た目とは真逆の強弱関係が露となれば、それに対しても"萌え"た女子が身悶えた。


煌が王子様の格好した時は笑えたけれど、それは煌を知っているあたしだからこそで。


不機嫌そうな異色の似非王子に、騙された女子は蕩けていて。


対するお姫様は玲くん。


煌が玲くんをお姫様抱っこをし、煌の首筋に玲くんが手を回した時、これまた絶叫に包まれて。


煌は真っ赤な顔をして我慢しながら、歌を歌い続けていたけれど。


きっと玲くんのアイデアに違いない。


玲くん、ノリノリだから。
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