Rest of my Prince
 
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「うわっひでえぞ、櫂!! お前金持ちの御曹司のくせに、なにちまちま!!! まとめて俺出せねえじゃないか!!! 折角強いのあるのによ!!!」


「ははは。そういうこと言ってると、玲の反撃に遭うぞ? ほら…」


「ふふふ。はい、ここで革命ね。ここからは貧乏人が強くなるよ?」


「ぎゃあああ!!! お前…何するんだ!!?」


煌が泣き叫ぶ。


「やっぱり雑草の如く、しぶとく生き続けるが勝ちってことかな?」


それまで渋い顔をしてカードを出していた芹霞さんが、明るい表情になって素早く場にカードを出していく。


「そういうことだね。天は逆境に喘ぐ人達を見過ごさないようだ」


ぼんぼん場にカードは捨てられて。


捨てられないのは馬鹿蜜柑のみ。


「ひでえ…。俺…色紙あるのに…」


そして1番にあがったのは櫂様で。


ビリは馬鹿蜜柑。


遠坂由香が煌の札を見た。


「ふう、どうして君は"2"のカードをそこまで残すんだい? 師匠が革命起こす前に…チャンスあっただろう? ペアが積まれていたし」


すると煌はぶんぶんと頭を横に振って。


「絶対やだ。俺、玲みたいに芹霞を捨てられない」


ああ本当にこの馬鹿――



「ふふふふふ。


誰が誰を捨てるって?」




ドガッ。



"えげつない"玲様の拳が、煌の鳩尾に入った。



どうしてこんなに馬鹿なのだろう。


喜んで玲様の怒りを買っている気がする。


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