Rest of my Prince
櫂side
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最近――

妙な視線を感じる。


隠したいのか、隠したくないのか判らぬ視線。


家でもそう、外出する時もそう。


この遊園地でもそう。


「何? オレがどうかした?」


この――

嫌悪感丸出しで睨み付けてくる男…とも違う。


単体ではない。


強烈な…複数の視線。


思い出してはいけない気がする…感じ慣れた視線。


「おい、耳でも詰まっているのか?」


各務久遠。


妖麗な顔立ち。


男も女も…必ず惹き付けるその美貌と、捉え処のない飄々たる物腰。

向けられる目線も何のその、あくまで独自路線で己の気の向くままに遊園地を闊歩している…らしい、他から話を聞く限りでは。


だったら。


俺達が来た時も、無視して今まで通り無関心で通り過ぎればいいものを。


必ず待ち構えている。


そして必ず――


「だから何!!? その口は何のためにあるんだ!!? お前馬鹿か!!?」


上から目線で必ず俺に喧嘩を吹っかける。


何様のつもりなんだ、この男。
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