Apasionado!~俺様社長様の甘い誘惑~



アイツを置いて仕事に来たが…今度は倒れてないか、逃げ出してないかと気にかかる始末。


「どうした?秘書殿はマシになったか?」

「聞いたのか?」

「夕べ電話があった」

「喋りだな」

俺が顔をしかめたのか

「兄貴が心配なんだよ。まぁ、俺は秘書殿の方が心配だけどな」

「……」

「お前…あの子に惚れてるだろう」

「……」

「隠しても分かる」

「…そうか」

「あぁ。気がついてないのは肝心の秘書殿だけだな」

「……」

確かに

「何かあの子は恋愛なんか皆無ですつう感じだからな。あの年には珍しいくらいの奥手だろ」

「あぁ」

「ハハハ…大変な女に惚れたな。ま、今までの罰だな」

「罰?」

なんで俺が罰を?

「今まで散々取っ替え引っ替えしてたからな」

「……」

「それをまた秘書殿は知ってるわけだし…お前の恋愛はゼロからじゃなく、マイナスから始まるんだから…まぁ、頑張れ。彼女なら、お前にお似合いだ」

言いたいだけ言って出て行った。


『マイナスからのスタート』

確かにアイツの言う事にも一理あるな。

マイナスからのスタートか!

上等じゃねえか!

絶対プラスにしてやる。




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