Apasionado!~俺様社長様の甘い誘惑~
「結婚すんな?熊五郎付きでいいから」
「……」
「ん?」
「な、なんで」
「ん?まだなにかあるのか」
コイツを胸から離して、顔を覗き込み
「ん?」
また赤くなってきた。
「フッ お前は…また真っ赤」
恥ずかしがってるその姿が堪らなく愛おしい。
「何で急にプロポーズしたんですか?」
「……」
「……」
「いつからかお前が気になってた。なんかよく分かんなかったが…そのうち、他の女といても楽しくなくなって…お前がちらついて…前にも言ったが、誰も抱けなくなった。お前だけが欲しかった。お前が他の男と一緒にいるのを見てるだけで腹が立った。俺まだ結婚なんかするつもりなかったから諦めようとした。だけど無理。どうしても お前が欲しい…だからプロポーズした」
「……」
今更コイツになにも隠すことはない。
俺の思いを全てさらけ出す。
コイツはまた涙を流して
「また泣いてんのか」
「ぅ嬉しいんです。もの凄く…嬉しいんです…ヒック…」
「フッ そっか。嬉しいか」
「は、はい」
「じゃあ、返事してもらえるか?プロポーズの」
「ヒック…」
「ん…しゃくりあげてないで」
指で涙を拭う。
「は、はい。け、け、結婚します。…熊五郎共々お願いします」
熊五郎共々か。
「ん。もう決まったから。後からあれは無しとかは無しだからな」
「はい」
唇に軽くキスを零し
「ほら、まだ夜中だ。寝るぞ」
「はい」
俺の胸に顔を埋め
小さな声で
「恭介…さん」
俺の名を呼ぶ。
「初めて俺の名前を呼んだな…志織…」