Apasionado!~俺様社長様の甘い誘惑~



あれ、忘れ物?

急いで部屋を出て、エレベーターに走る。

あ、社長…し、閉まる。

社長が『開』のボタンを押して開けてくれた。

慌てて乗り込み

「どうした?」

「忘れ物です」

エレベーターが閉まる。

社長に紙袋を差し出して

うん?

受け取ってくれない。

「社長、これ…」

「何で せっかく見舞いに持って来た物を突っ返す」

また片眉が…上がった。

「へっ?私にですか。で、でも…社長 何も言わずに…部屋の隅に置いて…あった…から…」

言葉が段々しりすぼみ。

「……」

何か恥ずかしくなってきて俯いてしまった。

――



…ッ!

エレベーターの中で抱きしめられてる。

「し、社長」

「馬鹿だな、やっぱり お前は」

「……」

「そんな格好で外に出て来たら、また風邪引き直すぞ」

一階まで降りたのをまた三階まで上げてエレベーターから出され

「早く帰れ。…それから、携帯の電源入れとけ」

エレベーターが再び閉まって、社長が消えた。


部屋に戻り、紙袋から中味を取り出して

プリンとゼリーが!

このお店…確か社長に連れてってもらった高級レストランだ。

社長…

何か社長の優しさ?は、ピントがズレてるところあるけど…そこが社長様らしいのかも。

私が会社休んだのが初めてだから、きっと驚いちゃってアタフタしたんだろうな。

フフ 考えると…面白いや。




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