好きとごめんのその先に


「今日は誠斗さんの食べたいものを作って待ってるよ。何がいい?」


「ん?あ、あぁ…」



…この1年、今日という日がくるまで、何度不安になっただろうか。





「…いらないよ、夕飯は」


「え、どうして?だって今日は…」


「うん。だけど俺を待たなくていい」


「……?」



不安になる度、夕梨亜の笑顔を見て安心してきた。



でも安心する度、夕梨亜の笑顔でまた不安になり。





幾度となく不安になって、考えて、…やっと決心できた。






「あの子の所に行ってこい」
< 371 / 428 >

この作品をシェア

pagetop