好きとごめんのその先に


『…ゆりちゃん?』


「ん?」


『…何かあった?』


「え?…なんで…?」


『なんか、鼻声のように聞こえる』



探るような奏多の声。



昔から、案外こういうところで勘がいい。




奏多のことだから、泣いたと言えば、どうして?ってきいてくれるはず。



そしたらわたし、話せる?



忠見さんと結婚させられるの、って、…今この電話で言うの?



わたしを想ってくれる奏多に、そんなことできるの…?
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