好きとごめんのその先に


こんな時間に線香をあげるなんて、どうしたんだろう…?





「なぁ、リサ。…俺はどうすればいいだろうか…」



手を合わせ、ママの遺影に向かって静かに呟くパパ。



声はわずかに震えていて涙声。



わたしの存在には気付いていないのか、振り向くことなくママに話しかけ続けた。




「リサは、怒っているか?…俺が夕梨亜を身売りしたことを…」




…わたしの、こと…??




「…でも俺だって、本当はこんなことしたくないよ。…夕梨亜にはちゃんと自分で選んだ人と幸せになって欲しいって、そう思ってるよ」



…パパ…?



それ、本心なの…?



どうして…?





後ろ姿が、いつもの何倍も小さく見える。



太くはなくても、肉付きはそう悪くはないはずなのに。



縮こまって震える姿には、いつもの威厳なんてない。
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