豹変上司に初恋中。

……これは、私が何か我が儘を言ったに違いない。


あーもう、考えるだけで頭が痛い。



痛い……あれ?

ふと、この頭痛の原因が自分の失態以外にもある事に気が付く。


そうだった。私、お酒を飲んだんだ。


思った以上に飲んで、それで……

私は寝起きの頭を駆使して、覚束ない記憶を追ってみる。



――始まりを思い出した。


その次の行動を思い出した。どんどん記憶が繋がっていった。


その度に自分の頭が青ざめるのが分かる。


胸ぐらを掴んだ。押し倒した。めそめそ泣いた。


……名前を呼ばれて、キスした?
いや、これは多分都合のいい妄想だろう。


少し火照った顔を緩く振り、昴さんの顔を改めて見つめた。

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