華麗なる偽装結婚


「二人の様子を聞こうとこうして来たのじゃ。

鑑査は口実だよ」


私と社長は顔を見合わせた。


「おじい様。
お忙しい時間を割いてまで何のお話があるんです?」

社長はようやく資料をテーブルに置いて会長を見た。


「まあまあ。
そう警戒するな。
何も焼いて食おうなどと思っている訳じゃない。


話は………、そう。
……ひ孫の事じゃ」


「「は」」


「いつ会えるかのぅ。
わしは楽しみで楽しみで」

「「……」」


突然出た子供の話に二人で言葉を失う。





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