ガルドラ龍神伝―闇龍編―
エピローグ
十種族の龍魔族と十一属性の魔道族の苦しめていた闇龍アルエスを倒し、魔界ガルドラに真の平和が訪れた。


これにより、険悪になっていた魔道族と龍魔族達は、再び共存し合って暮らすようになった。


こうしてこの魔界は、新たな時を刻み始める。


そしていつの日か、この魔界の魔族達は語り始めるだろう。


三人の龍戦士――砂龍王女リタ姫、水龍族の少年ヨゼフ、火龍族の少女ナンシーが闇龍アルエスを倒し、この魔界に光を注いだという伝説を。


≪ガルドラ龍神伝≫という名の伝説は、新たな章を刻み、物語となって今後も各龍族の子供達に語り継がれることだろう。


少なくとも、リタはそう思っていた。


彼女はフィブラスの城で自分の部屋にこもり、長旅と戦闘の疲れをとっていた。


その時、彼女の部屋の戸を叩く音が聞こえた。


「殿下、あなた様宛てに、一通のお手紙が来ています」


近衛兵セルセインの声だ。


リタは思った。


「ご苦労。そこに置いといて」


リタの命令に従い、近衛兵は手紙を彼女のドレッサーの上に置く。


リタは早速、黄色の封筒の裏の差出人の名前を確認する。


(メアリーから?)


その手紙は、氷系魔道師メアリーからのものだった。


その手紙には、こう書かれていた。
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