双子ですけどなにか?【修正終わりました】


結局保健室ではどうにもならず、病院に連れていかれた俺は、頭を3針縫った。


「お父さん、怒るだろうね」

「だな。殺されるかもな」


母親も留守だったらしく、俺と彩花は、ロビーでぼんやり迎えを待った。


「お前、いつから見てたんだ?」


「あぁ、机蹴飛ばしたくらいから……。何か胸騒ぎがして行ったら、あんなだもん。びっくりした」


……ほとんど一部始終かよ。


「チッ……ダセェな」

「……ダサくなかったよ」

「あぁ?」

「晴人、かっこよかった」


幻聴かと思って彩花の顔を見ると、ヤツはにそにそと笑っていた。


「ありがとね、晴人。私や里美先輩の為に、喧嘩したんだよね」

「ちがっ……」

「違わない」


彩花は、きっぱりと否定する。


「里美先輩をかばったのが、一番かっこよかった」


「ばっ……、だから、あれは体が勝手にだなぁ」


「……もう、覚悟決めたら?」


「あぁ?」


彩花はにそにそ笑うのをやめ、真剣な目で俺を見つめる。


「晴人の気持ち、十分伝わってると思うよ。だから……ちゃんと本人に言ったら?」


「……って……」


「じゃなきゃ、晴人の恋心が報われない。成仏できないよ」


「……死んでねぇし」


「だから、体でなくて、気持ちの話」


「だから、その恋心ってやつ、死んでねぇんだよ……」


話しているうちに、どんどん胸が苦しくなってくる。


「全然なくならねぇから、困ってんだろ……」


そう言うと、彩花は泣きそうな顔をした。


「当たり前じゃん、そう簡単にはなくならないよ……」


その声は切なげに響く。

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