双子ですけどなにか?【修正終わりました】


「……キミ達の家に行けば良いのか?」

「……おう!」

「自転車をとってくるから、校門で待っててくれ。里美、施錠を頼む」

「あ、はい……」


メガネはすたすたと行ってしまい、俺と里美だけ生徒会室に残されてしまった。

何とも言えない気まずい雰囲気が流れる。

そう言えば……。

謝らなければならない事を、思い出した。


「「あの……」」


口を開いたら、俺の低い声は、里美の小さな声とぶつかってしまった。


「あ、なに……?」


里美が先に聞いた。

俺はその顔を見る事ができないまま、呟く。

徐々に苦しくなる鼓動を悟られないように。


「……あのビラ、この前初めて見た。悪かったな、あんな嫌な思いさせて……俺のせいで」

「そんな事……」

「それでも、何も言わないで……こんな俺とつきあってくれて……。本当に、ありがとう」

「……晴人くん……」


小さな声が聞こえ、余計に胸が痛くなる。


「メガネ、借りて悪いな。お前の一番大事なやつを……。けど、悪い。彩花を救うのに、俺はこれしか浮かばない。
許してくれ」


そして……。


「俺、お前の事、すごく好きだった」


終わらせなければ。

俺のためにも、彼女のためにも。


「……さよなら」


やっと別れの言葉を絞り出す。と同時に、生徒会室をあとにした。

里美を一人残して。

最後まで、彼女の顔を見る事ができなかった。

見たら、泣いてしまうかもしれなかったから。

ちくしょう。

何で俺は、こんなにバカで弱いんだ。

けど、彩花。

メガネを借りて、里美に恨まれても、俺は、お前を助ける道を選ぶ。


俺が守るべき人は、もうお前しかいないのだから。


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