不良狼の一途な溺愛

「どうした?ちゃんと言え。」


蓮君の真っ直ぐな眼差しが、私の返事を促す。


このまま黙っていたところで、追及を免れることは出来ない…。


そう察した私は、仕方なく事情を話すことにした。



「あの、実は私…デートするのは初めてなんだ…。そ、それで…どういう会話すればいいのかとか、よく分からなくて…。」


周りに誰もいないところで話すならともかく、ここは街中。


恥ずかしくて俯いた。


「デート、初めてか…。」

「は、初めてだとマズいかな…?」


「そんな訳ねぇだろ!むしろ、安心した。」


安心……?


俯いていた顔をゆっくり上げると、蓮君は安堵した表情を浮かべた。



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