不良狼の一途な溺愛
恥ずかしさに耐えながら保健室までやって来ると、蓮君は窓際のソファーに私を下ろした。
「…誰も居ねぇな。」
「そ、そうだね…。」
私はグルリと室内を見回した。
保健の先生は、どこかに出掛けているらしく不在。
ベッドで休んでいる生徒も居ない。
ガランとしていて静かだ。
「先生も居ないことだし、私…家に帰って消毒するよ。」
そう言って立ち上がろうとしたけれど、蓮君は私の両肩に手をのせた。
「ちょっと待て!俺が手当てする。だから、そのまま座ってろ。」
「えっ、蓮君が…?」
「ああ。」
私の肩から手を離した蓮君は、保健の先生が使っている机や棚を見回す。
程なくして、消毒薬や脱脂綿、絆創膏が見つかり、私のところに持ってきてくれた。