不良狼の一途な溺愛
ドクンドクンと心臓の音が体の中で大きく鳴り響く。
いたたまれなくなった私は、ベッドから降りて部屋の中をグルグルと歩き回った。
恋…。
初めての恋だぁ…。
くすぐったいような嬉しさが全身を駆け巡る。
どうにも落ち着かなくて、何度も深呼吸をしてしまった。
不思議だな…。
蓮君に対しては、恐怖を感じることが多かったはずなのに……。
初めて出会った時から今日までのことが、頭の中に浮かんだ。
あっ…。
でも、思い出してみると…恐怖ばかり感じていたわけじゃなかった気がする。
蓮君が笑顔になった時、胸がときめいた。
優しい一面を見た時も、心臓が跳ね上がったっけ。
蓮君の言葉や行動に、ドキドキしたり、ジワリと心が温かくなったりすること…時折あったなぁ…。