不良狼の一途な溺愛

「じゃあ、授業が終わったら…ここに行こうよ!駅前で割引のチラシ貰ったからさ…!」


私の机の上に広げられたのは、半月ほど前に駅前にオープンしたばかりのカフェのチラシ。


リーズナブルな価格なのに、とても美味しいらしくて、早くも人気を集めているお店だ。


オープン当初から、行ってみたいと思っていただけに、私のテンションは一気に上がった。


「行きたいっ!ケーキとか食べたいなぁ〜。」


「スイーツも絶品らしいよ。二人でたくさん味わおうねっ!」


「うん!あっ……」


声を弾ませながら答えたところで、頭の中に紫堂君の顔が浮かんでしまった。


放課後は、紫堂君に“来い”って言われてるんだよね…。


でも、私は沙織と一緒にカフェに行きたい…。


…………。


よし、ちょっと後が怖いけど…命令を無視しよう。


そもそも、紫堂君からの一方的な命令なわけだし、私が従う義務なんて無いんだから…。


カフェが優先。


心の中で決意を固めていると、何やら教室の外が騒がしくなっていた。



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