不良狼の一途な溺愛
全く…。
沙織ってば、一人で盛り上がり過ぎだよ…。
しかも、かなり勘違いしてるし…。
苦笑いと共に、溜め息が零れた。
恋愛は、したいな…って思う。
中学の頃から、密かに憧れを持っていた。
でも、紫堂君と恋愛するっていうのは無理があるでしょ。
発想さえ浮かばなかった。
だって…相手は不良だよ?
私が常に維持していたい平和な生活とは縁遠いもん…。
根本的に合わないよ。
心の中でそう思いながら、カバンを手に持つ。
あぁ…また紫堂君に会わなくちゃいけないのか…。
憂鬱な気持ちに襲われながら、ゆっくりと教室を出た。
「ちょっと、アンタ!!」