これを運命とするならば





それから。
狭川さんはことあるごとに三柴さんの部屋を訪ねるようになった。


ときには差し入れをもってきてくれるので私もむげにできず、狭川さんの存在を完全無視する三柴さんを気にしながらも会話を交わすようになって。
………そのたびに三柴さんの視線が冷え冷えとしたものになるのを感じて。
私と三柴さんは、今すごく遠い。






「―――椿ちゃん、今度の週末ヒマ?新しくできたアウトレットモール行かない?」


狭川さんが自分で持ってきたプリンを食べながらそう言ったのが金曜日のお昼休み。
いわゆるデートのお誘いに、場の空気が一気に凍った。





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