君のための嘘
「ちょっと襲われるんじゃないかって思っているのかしら?原石っ、あたしは男にしか興味がないのっ 早くそっちで着替えて横になって」


「は、はいっ」


夏帆はリリの指を指したドアに急いで入った。



施術用のベッドに寝かせ顔にクリームを塗り始めた。


心は女性のようだが、元男性の手は力強く、そして女性のようなきめ細かい指の動きで夏帆のデコルテから顔までマッサージしていく。


その手の動きに昨晩なかなか寝付けなかった夏帆はついウトウトとしてしまう。


ウトウトしつつ、頑張って目を開けていようとする夏帆にリリは笑った。


「無理に起きていなくてもいいわよ」


「すみません……リリさんの手が気持ち良くて……」


リリの声にハッとして夏帆は言い訳した。


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