君のための嘘
夏帆は起き上がりフローリングの床に置かれたスリッパを履くとドアに向かう。


リビングルームに入ると、オレンジ色の灯りが揺らめくだけで薄暗い。


「?」


テーブルの上にロウソクの灯りがほんの少し揺らめいている。


そして、大きな窓から美しくきらめく夜景が見えた。


「きれい……」


その声にリクライニングのソファーで横になっていたラルフは身体を起こした。


どうやらまどろんでいただけのようだ。


「ぐっすり眠っていましたね」


柔らかい声に夏帆は寝顔を見られたことを思い出して恥ずかしくなる。


「すみません すっかり寝てしまって……」


「疲れていたんですから、無理もないですよ」


ラルフは立ち上がると、壁際へ行き室内の明かりを点けた。



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