君のための嘘
それにワインを持つ雰囲気が、どこかの国の王子様を連想させる。


夏帆もワインは好きで夕食時は両親と飲んでいたが、一口ワインを口にして素晴らしく美味しいワインだと目を見張った。


「おいしいです」


「良かった さあ、食べよう」


絶対に彼女さんいるよね?


私がここにいていいものなのか……。


もう一口ワインを口にしながら夏帆はラルフを見た。


彼は綺麗なフォークとナイフ使いで白身のお魚を食べている。


どこからか運ばれたお料理も美味しいものであることは間違いないと思う。


お店で食べた方が美味しいって言っていたけれど。


はぁ~ なんだかとても贅沢をさせてもらい申し訳なくなる。


それにこんなに居心地が良いと、これから先の事を考えるのが苦痛になっていく……。


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