君のための嘘
「そんなのダメっ!結婚している人じゃなくて、ラルフなら他にも女の子が……」


「……ごめん、話はここまでにしよう」


夏帆はラルフの顔に苦悩がのぞいたのを見て頷いた。


「そ、そうですね あ!聞きたかったことがあったんです」


「何かな?」


「えっと、り……りれきしょってなんですか?」


「履歴書?なんでそんな事を?」


ラルフは眉根を寄せて聞く。


「今日、スーパーマーケットに行ったら仕事を募集していたんです 毎日何もしないではいられないし、働こうと思って」


「働くなんて……どうして……」


不思議そうなラルフに夏帆は小首を傾げた。


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