モノクローム
 

「ちょっといいですか?」


「あ?」



さっと扉を開けてみると、キングは布団の上で仰向けになっていた。


……ゲーム機を持ち上げながら。



「どこにゲーム機を?」


「これか? 紫苑が持ってきたんだよ。暇つぶしにって」



さすが柊くんね。気が利いてる。



「お前は何の用だよ」


「暇つぶしに何か用意したほうがいいかと思ってたんですけど、それがあるなら大丈夫そうですね」


「けっ。ご苦労なこった」


「あ、ついでに。お昼ご飯に何か食べたいものはありますか?」


「肉」


「わかりました。魚肉にします」


「なっ、てめっ」



肉は肉でも魚の肉。肉にはかわりないもんね。


でもまぁ、それも可哀想かな。


食べやすいもの……うどんなら買ってあるし、それを作ってあげればいいかな。


それなら帰りに買い物をしなくてもすむし。


私は、階段を上りながらそんなことを考えていた。

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