リアル
「……片想い、ですか?」
京華は他に客はいないにも関わらず、声のボリュームを落とした。
「うん、そうだね。もう長いこと会ってもいない」
裕児は遠い目をした。
「そんなに想われてる相手は幸せですね」
京華は心から思ったことを口にした。
そこまで想えるなら、相手に最高の幸せを与えられるはずだから。
「……どうかな」
裕児は首を傾げた。
その瞬間、かららん、と扉が開く音がした。
「いらっしゃいませ」
そこには、初めて見る客がいた。
この間の綺麗な女性といい、ここ最近新規の客が多い。
店内に入ってきた若い男は、少し迷った果てに窓際の席を選んだ。
この間の女性と同じ席だ。
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