リアル


足が怠い。


隆は日頃の運動不足を後悔した。


少し歩き回っただけでこれだ。


脹ら脛の辺りがぴりぴりとし、左足首を少々痛めているようだ。


普段、職場と自宅の間しか移動しないのが仇となったか。


隆は脹ら脛を軽く擦った。


でも、収穫はあった。


二人目の被害者は派遣OLだった為、職場で外部の人間との関わりはない。


その為、これといった話はやはりなかった。


だが、一人目は違った。


バイト先の本屋で、やはり三人目の被害者と同じように男と話していたのを後輩が目撃している。


それも、ただの客としてではないようだったらしい。


口説いている、とは少し違っていたが一人目の被害者、清原仁美は満更でもない表情を浮かべていたらしい。


でも、と隆は大きく溜め息をついた。


確かにこれは大きな収穫だ。


でも、三人の交友関係にそれに該当するような男はいない。


そもそも生野の調べでも、仕事先での話でも、被害者三人には友人の一人すらいなかったようなのだ。


となると、その男は以前からの顔見知りではないということになる。



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