∮ファースト・ラブ∮
「もう、久遠ったら、どうしたの?
今日のあなた、変だよ?」
耳の遠くで先ほどの女子がぼくに話しかけている。
だが、今はそんなことを気にしている場合ではない。
手鞠ちゃん……。
視線を窓の外へと移すと…………。
いた!!
尚吾だ!!
手鞠ちゃんも一緒だ!!
「ちょっと!!
久遠?」
彼女にとって、奇行をしているぼくを不満げに呼ぶが、今は無視だ。
尚吾!!
ぼくは尚吾の後を追った。